実験~フィルム現像
これまで、調子再現の説明の中で、ゾーンシステムや特性曲線を紹介してきました。この実験は、私が普段おこなっている手順でフィルムを現像したとき、どんな感度・特性を持ったネガができたのかを調べたものです。
結果は、PDFファイルでご覧いただけます。
注)PDFの表示にはAdobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat
Readerは、雑誌付録CD-ROM・アドビシステムズ社のWebから入手できます。
サンプル
全て135サイズ(35mm)のフィルムである。
Kodak
-
Plus-X pan film (PX)
- Tri-X
pan film (TX)
- T-MAX
100 Professional film (TMX)
- T-MAX
400 Professional film (TMY)
Fuji
- Neopan
100 PRESTO (100PRESTO)
- Neopan
400 PRESTO (400PRESTO)
条件
- 露光は、デーライト相当の光で1/30秒間、濃度測定はステータスM相当。
- 現像タンクは、LPLステンレスタンク120を用い、それに36枚撮りのフィルムを1本だけ入れて処理をした。
- 現像にした現像液は、Kodak Developer D-76を水で1:1に希釈したものを使用した。ただし、TMX・TMYには、D-76で現像すると使いものにならない特性のネガになってしまうので、Kodak
T-MAX Developer(1:4)を使用しました。
- 定着液は、フジ・スーパーフジフィックスを使用した。
- 現像の手順は、次の通り。(全て20度)
前浴(水・連続撹拌。1分)--> 現像 --> 水(静止状態1分+撹拌15秒) --> 定着(3分)
時間は、薬品をタンクに全て入れ終わってから全て排出まで、とした。
また、Plus-Xの実験では、同じ現像タンクにフィルムを1本だけ入れて現像した時と2本同時の時と結果が異なるかどうかも検証した。
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結果
- PX
埋め込みなし(14KB)
埋め込み(56KB)
- TX
埋め込みなし(13KB)
埋め込み(53KB)
- TMX
埋め込みなし(13KB)
埋め込み(51KB)
- TMY
埋め込みなし(14KB)
埋め込み(56KB)
- 100
PRESTO 埋め込みなし(13KB)
埋め込み(53KB)
- 400
PRESTO 埋め込みなし(13KB)
埋め込み(54KB)
※PDFファイルはフォント埋め込みをしたものとしないものと2種類用意しました。フォント埋め込みをしたものを表示するにはAcrobat
Reader4.0が必要です。
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考察
メーカーが提供しているデータや、「ファインプリントテクニック」で発表されているデータとはまた異なる結果となった。やはり、現像時の細かい操作で、結果がシビアに変わってしまう事が分かった。
現像と定着の間は、通常「停止」処理として酢酸の1.5%溶液を用いるが、私の場合は、水を入れ撹拌せずに静止させる。静止させることで、シャドー部(あまり現像されていない部分)がわずかに現像されるため、シャドー部の調子が豊かになる効果があるといわれている。実験の結果でも、感度が高くなったにも関わらず、コントラストインデックスが小さくなったことから、水現像の効果が現れたと言える。(メーカーのデータや「ファインプリントテクニック」と比べてみて下さい。)
その反面、現像が速やかに停止されないため、特にシャドー部において、特性にばらつきが出たと思われる。
<参考文献>
「ファインプリントテクニック」写真工業出版社
「写真の化学」笹井明著 写真工業出版社
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