追加の手順
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私がプリントするときの道具や薬品、テクニックみたいなものを紹介します
薬品
印画紙
私はわずかなウォームトーンが好みですので、ILFORD
MALTIGRADE FB印画紙を選ぶことが多く、デクトールの1:3希釈で現像しています。(現像液を薄めると、調子が温黒調になっていきます。温黒調を得るための他の方法として、現像液中のハイドロキノンを減らす、臭化カリウムを増やす、等があります。)調子再現最重視の時は、Plus-Xで撮影し、ニューシーガルG印画紙を選びます。イルフォードFBの特性曲線はPlus-Xとはそれほどマッチしてないからです(特性曲線についてを参照ください)。 道具に関しては、引伸機に驚かれるかも知れません。元々私が所属していたサークルは、「カラー写真をつくる会」というところで、カラーの引き伸ばしができました。またサークルも画像工学科と密接だったこともあって、引伸機は常にいいものを譲り受けていたと聞いています。450M-Cは4×5まで焼けるので、ポジを引き伸ばす場合は、4×5のインターネガを作成して使っています。 もちろんカラー引伸機でも白黒プリントはできます。私のフィルム現像の速度は速い方なので、散光式引伸機(=カラー用)にあわせたフィルム現像を行い、短時間現像による現像ムラを防ぐようにしています。 現在は写真とは直接関係のない仕事をしていますので、なかなかプリントする機会をもてないのですが、既にLPLのC7700引伸機を入手するなど、準備は整えています。しかし自宅でやると臭いなどの問題がありますから、現在、ラッキー・NOVA現像システムや、JOBOシステムの検討をしています。 ピンセットはise製のステンレスピンセットを愛用しています。これは一般的な竹ピンとは構造が違い、先端がゴムではなくビニール系のコーティングで、使っているうちに取れてしまうということがありません。また、一般的な竹ピンセットは、印画紙をつかむときに力を入れてピンセットをつかみますが、これはちょうど真ん中の支点部分にバネが入っていて、通常は先端が閉じています。したがって開くときに力を入れて、挟んでしまえばバネの力で押さえてくれるので、余計な力のせいで印画紙を折ってしまうようなことがありませんし、手が腱鞘炎になることもありません(笑)。 フォギーフィルターは、プリントの時の隠し味として使っています。 <上に戻る> ユニバーサルイーゼルは、広い縁を取ることができるので必需品です。広い縁を取る理由は、もちろん見栄えもありますが、
1. はそこを持つようにすれば、画像部分を持つことがないので、おれたり指紋が付いたりといったことから画像部分を守ることができます。 2. はどんなに良く水洗しても、紙の縁部分は他よりも液にふれる面積が大きいために薬品が残り、長期の保存では紙の縁から汚染が始まっていきます。乾燥後に端の部分を切断すれば、一緒に残留薬品を切り取られるので汚染発生の確率が減少します。 3. はオーバーマットをつけたとき、マットで挟まれる面積が大きくなるので額に入れてもプリントの平面性が保たれます。日本では額装=裏打ちという間違った常識がありますが、裏打ちに使う接着剤がプリントを汚染してしまうため、現在のマッチングは、ペーパーコーナーまたはヒンジングの手法を用いるのがふつうです。写真は他の美術品と違い非常にデリケートなのです。 現像の流れは、 現像:3分→停止(水現像・すすぎ)2分以上→定着2分→予備水洗15分→水洗促進剤15分→本水洗15~30分 です。 <上に戻る> |