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特性曲線について

印画紙の特性

実験〜フィルム現像

オリエンタル印画紙

 

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印画紙の特性

 前ページで、印画紙の特性を示すISO SpeedとISO Range、LERを紹介しました。が、このほかにも印画紙の階調特性を示すものがあります。おなじみの「号数」です。

 号数は、印画紙のコントラストの目安になっているもので、皆さんもごくごく一般的に使ってらっしゃる言葉です。一応説明しますと、一般的に0から5までの数値を使って、その印画紙がどれくらいのコントラストを持つのかを示しています。数字の小さい方が軟調、数字の大きい方は硬調になり、我々が一番よく使う号数の2号〜3号は「中間調」といわれます。

 この、「号数」ですが、実は規格化されていません。2号ってどれくらいの硬さなの?と訊かれても「中間ぐらい」としか答えられません。同じ「2号」といっても、メーカーや銘柄によって調子やコントラストは結構違います。

 ここでは、オリエンタルのニューシーガルGとニューシーガルセレクトVC印画紙の特性曲線を使って比較してみたいと思います。(転載許可をいただきました)

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1. ニューシーガルGとVCバライタ(2号)

シーガルGとVC(4K)

 上図は、ニューシーガルGの2号とセレクトVCバライタの2号フィルター使用時の特性曲線を重ねたものです。(両者は感度が異なるので、重ねるために横軸は「相対露光量」としています。)

 ぱっと見て相当形が違うことから、両者の階調特性は全く異なることが容易に想像できますね。

 詳しく見ていきますと、まず立ち上がり部(ハイライト)が、VCはGよりも緩い曲線になっています。これから、VCのハイライトの階調はGよりも軟調傾向ということが分かります。逆に肩部(シャドー部)はGの方が緩い曲線になっていますので、VCのシャドー部の階調はGよりも硬調傾向ということになります。

 これらの傾向から、Plus-Xや400PRESTOなどの、シャドーが硬くてハイライトが柔らかいフィルムからのプリントにはシーガルGを、T-MAXやなどの、シャドー部が柔らかくてハイライトが硬いフィルムからのプリントにはVCを使うと、自然な階調を再現しやすいということが言えます。

 そして、中間の直線部分の傾きを見てください。VCはGに比べて直線が立っています。よって、同じ2号ですがGの方がコントラストは柔らかいということになります。

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2. セレクトVCのバライタとRP(2号)

VC cmp(5K)

 今度は同じVCの、バライタ紙とRCペーパーの違いを見てみます。

 まず、立ち上がりの部分ですが、立ち上がるタイミングも曲率もほぼ同じですから、シャドー部の階調とISO Speedは両者ともほぼ等しいと言えます。 肩部の曲線も、シャドーと同じようにほぼ一緒かなと思われるので、ハイライトの階調もほぼ等しいと言えます。

 両者の違いは中間調に現れました。FBの方は直性の部分が長く、直線の傾きも立っています。そのためにRPよりも早く肩部が現れます。一方、RPの方は濃度1.0を越えても直線にならず、また短くなっています。その分肩部はFBより遅く現れます。

 これらから、直線が長いFBの方が自然な階調を得やすいといえます。しかし、肩部の出現ポイントの違いから両者のLERはFBの方が狭いとい得ますし、直線も立っていますから、2号フィルターでプリントする場合はFBの方が硬調になり、印画紙に合わせてフィルムを現像する場合もFBの方が幅がない分難しいと考えられます。

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