髪の毛を切りたくなるとき、必ず思うのが、「かっこよくなりたい」。
でも、おれはどんなスタイルが似合うのかわからない。メンズ雑誌のヘアスタイル特集とか、ヘアスタイルの雑誌を見たりしてみるものの、どれが似合うかわからないし、いろいろ細かいオーダーをしなくちゃいけないから、結局楽な「この前と同じ」と言ってしまう。
めんどくさい、というよりも、細かくオーダーして似合わなかった場合をおそれているのだ。小心者だから。
そして、今度こそは美容院に行くぞと思うのだが、結局床屋だ。毛深いから顔剃りが必要だしなとか、どこに行けばいいかわからないとか、いろいろあるんだけど、結局のところ入るのが恥ずかしいだけだ。
ここにも小心者が顔をのぞかせている。
今日もやっぱり床屋へ行ってしまった。でも今日は少し違うぞ。「この前と同じ」なんて言わないぞ。かっこよくなるぞ。
「伸ばしたいんだけど・・・」
「じゃあそんなに切らない方がいいですね」
ということで、仕上がりは切る前とほとんど変わらなかった。家族の誰も気づかなかった・・・。
(1999年1月24日)